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高校生の誰もが安心して年内入試対策に取り組める環境を。マイナビが年内入試対策サービス「AI-m(エイム)」に込めた思い

今、高校生を巡る進学・受験の状況は、ひと頃よりずいぶん変化している。いわゆる“年内入試”と言われる学校推薦型選抜や総合型選抜が増えたことで、面接や志望理由書の対策が高校生にとって欠かせなくなった。一方で、高校現場では限られた時間の中で一人ひとりに十分な面接対策を行うことが難しく、万全な準備ができるかどうかは、学校や家庭環境によるところが大きい。そんな状況を変えようと、マイナビはAIを使った高校生向けの無料で使えるAI年内入試対策サービス「AI-m(エイム)」をリリースした。マイナビは、高校生をどのようにサポートしようと考えたのか。開発を担当した、進学未来デザイン事業部コンテンツ運営部 部長の川原慧子に話を聞いた。

高校生活に最後まで寄り添うために

  

主に年内に入試が行われる「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」では、面接やプレゼンテーション、志望理由書や小論文といった書類などで合否が決められる。この年内入試1の利用者は増加傾向で、専門学校進学者や就職希望者の多くも面接や書類選考を必要とすることから、高校生にとって対策の重要性は一層高まっている。

ところがこの面接や書類の対策が、生徒にも指導する教師にも大きな課題、負担となっていたのだ。

1 “総合型選抜学校推薦型選抜など、主に12月頃までに合否が決まる入試方式のこと。(文部科学省「令和6年度大学入学者選抜実態調査の結果」より)

 

「例えば面接選考では、志望理由や自己PRを自分の言葉で伝えることが求められます。しかし、それまでに面接経験がなく、どうやって準備や練習をしたらいいかわからないと悩む生徒はとても多いです。先生も、40人のクラスなら40通りの進路がある中で、一人ひとり個別に指導をするというのは難しいものがありますし、保護者の方も自身が高校生だった頃とは状況が変わっていて適切なアドバイスができない。そんな高校生をサポートできないか、という課題から“AI-m”は生まれました」(川原、以下同)

 

年内入試対策にも対応できる塾や予備校に行ける環境にあればサポートは受けられるだろう。しかし、地域や家庭の事情によっては対策の機会は限られてしまう。そんな“格差”を解消するにはどうしたらいいかというのが開発の出発点だったという。ただ、川原には自身の所属する進学未来デザイン事業部としての課題解決も、開発のモチベーションのひとつだったと語る。

 

「進学未来デザイン事業部は、『マイナビ進学』という進学情報サイトの運営を通して、進学に悩んでいる高校生の進路選択をサポートしてきました。ただ、志望する学校や学部学科が決まってしまうと、その先で力になれる機会がなかなかありませんでした。けれども、面接や書類選考対策のためのサービスを作ることができたら、志望先が決まった後の大切な時期にも高校生を支えることができる。それが、私の“AI-m”開発への大きな動機でした」

 

AI-m”は答えを教えず、気づきを与える存在

AI-m”とは、自己分析から面接、書類作成の基礎まで、AIがサポートしてくれるサービス。(1)自己分析ができる、(2)面接練習ができる、(3)書類添削ができる、(4)スキマ時間を活用できるという4つのポイントがある。

「選考に用いられる面接も書類も、正解というものがありません。ただ、自分が考えていることや思っていることを、どれだけ深く、具体的に言葉にすることができるのか。それらを通じて伝わる、意欲や将来への展望を見られているのだと思っています。ですから“AI-m”も、正解を教えるというスタンスではなく、「自分自身に向き合い、自分にはこんなところがあって、こんな一面もあるんだな」と感じてもらえるようなサービスにしたいと考えました。そのため、ユーザーの答えをできる限り深掘りするような問いかけを行い、自分でも気づいていなかった強みや価値観を言語化できるようなフィードバックを返せるように、作っていきました」

 

こうした考えを形にするうえで欠かせなかったのが、AIに関する知見を持つシステム開発メンバーとの連携だった。川原ら進学未来デザイン事業部のメンバーは、長年高校生と向き合ってきた経験をもとに、問いかけの設計やフィードバックの表現について、システム開発メンバーと検討を重ねた。技術面の知見と、高校生の実態に基づく視点を掛け合わせることで、高校生が“気づき”を得られるようにという思いは、十分に反映できたという手応えを川原は感じている。

 

「今の高校生は日常的にAIを使い、コミュニケーションを取っています。そんな彼らに実際に使ってもらったとき、“AIは基本肯定ばかりしてくるけれど、AI-mは自分でも考えてみなかったことを質問してくれるため、対策に役立つ”という感想をもらったんです。とても嬉しかったですね。目指していた通りのものができたと実感できました」


これまで蓄積した知見を生かし、マイナビだから作れたサービス

AI-m”の開発過程においては、「これでは考える機会にならない」「このような設定のままでは、高校生のためにはならない」など、川原らは開発チームと熱い意見を交わした。そのような要望の背景にあるのは、これまで高校生向けのサービスを展開する中で蓄積してきた膨大な知見だ。

 

「ひとつは、数年前から行っている高校生の志望理由書や小論文の添削サービスです。赤字を入れて戻すというやり取りを繰り返す中で、どんな観点が弱いのか、どういった視点が不足しているのかという情報が事業部には知見として貯まっていました。それをベースにできたことは強みだと思っています」

 

同事業部には他に、進学プロデュース部や進路サポート部といった高校に出向き、進路やキャリアに関する講演会や相談会、入試対策講座等を日常的に行い生徒と直接的に向き合っている部署がある。年間を通じて高校を訪問し、生徒と直接向き合ってきた経験も、“AI-m”の開発に生かされている。

 

「何か困ったとき、どうしていいかわからないときに人に相談するのは勇気が要りますよね。まだ人生経験の少ない高校生だったらなおさらです。そんなときに気軽に話せるAIはぴったりだなと思います。例えば、“AI-m”の自己分析ではAIのキャラクターを、お友達バージョンのエイム君、普通の先生のエイム先生、そして熱いバージョンの熱血エイム先生の、3タイプから選べるようになっています。高校生が自分の好きなタイミングで話せることに加えて、どんな風に話したいかといった気持ちにも寄り添えることもポイントだと思います」

 

AI-m”は、単なる“入試対策”にとどまらない

AI-m”はあくまで準備や練習のためのツールであり、最後は教師による指導につなげるという考え方も、開発時から一貫していた。そのため、個人利用のほか、学校毎に申し込んでもらう学校利用も利用形態として用意した。後者は、学校の管理サイトから生徒のアカウントを発行して利用するもので、教師は生徒毎の履歴を参照したり、生徒へのフィードバックの参考となるAIによる分析アドバイスを確認したりすることができるようになっている。

「“AI-m”によって先生の負担も減らすことができれば、その分、より良い指導のために時間を使っていただくことができるのではないかと考え、学校向けの管理機能を搭載しました。生徒がどのように利用し、どのようなアドバイスを受け、どう変化したのかを先生も把握することで、より適切な指導につながり、生徒にとっても先生にとっても価値のあるものになると考えています」

 

川原には、“一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。”をパーパスに掲げるマイナビで、誰もがいつでも、どこでも受けられるサポートを手がけていきたいという思いがある。

 

「“AI-m”を使って気づいたり、学んだり、挑戦した高校生が、その経験と共に大学生や専門学校生という次のステップへ、その先は社会人へとなっていくとき、マイナビは全てのプロセスで寄り添っていくことができます。ということは“AI-m”は、そのプロセスの第一歩を作るということになるのではないでしょうか。その点でも、自己分析できるというのは“AI-m”の大きな強みだと思います。今の高校生は本当に忙しくて大変です。でも、社会に出れば答えのない問いに向き合うことが多く、自分を理解し、自分で考えることができないと迷ったり困ったりしてしまうかもしれません。ですから、“AI-m”を単なる入試対策だけではなく、自分で考え、自分に向き合い、今後の人生を良くするためのツールとして使ってほしい。そして、すべての高校生に幸せになってほしいなと思います」

 

(まとめ)

AIというと、進化が速く無機質なテクノロジーというイメージを抱きがちだが、“人に寄り添い、より良い人生の実現のため”という思いが込められれば、“AI-m”のようなサービスの実現につながる。入試対策に留まらない“AI-m”の可能性をどこまで広げられるかは、ユーザーの自分への向き合い方にかかっているのかもしれない。

 

Profile

川原 慧子

未来応援事業本部 企画統括本部 企画運営統括部 コンテンツ運営部 部長

2010年毎日コミュニケーションズ(現マイナビ)に新卒で入社。大学、短大、専門学校の学生募集広報に対する企画営業、2015年からは高等学校へのキャリア講演提案および講師登壇、キャリア・探究系教材販売に従事。2021年に企画部門へ異動し、主に高等学校向け商品・サービスの企画制作・運営担当として、オフライン・オンライン問わず複数のサービス企画立案に携わる。2025年より進学情報サイト『マイナビ進学』の運営およびプロモーション運用等も管轄し、現在に至る。

 

 

【取材・文:定家励子(株式会社imago)】

【写真:三浦雄飛】

 

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