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納得できるキャリアを見つけるためのきっかけを目指す「My CareerStudy」。 学生は自分の強みを見つけ、もっと個性的であっていい

人は社会に出てどのような仕事に就き、どのように人生を歩んでいきたいかを、いつ頃から考え始めるのだろうか。

たとえば大学生の場合、インターンシップの募集が始まる頃が、ひとつのきっかけとなるかもしれない。

そんな将来について考えるという大事な岐路に立つ大学生に向け、内定獲得の先のキャリアを考える環境づくりを目指したサービスが、マイナビの「My CareerStudy」(マイキャリアスタディ)だ。学生にキャリアについて学ぶ機会を提供するため、同サービスを立ち上げた就職情報事業本部 キャリアデザインプロダクト推進事業室 事業室長の三枝靖明に話を聞いた。

 

どんなキャリアを目指すのかを考える鍵は“自己認知”

生産年齢人口の減少により、労働力不足は日本にとって深刻な課題となっている。さらに、デジタル分野の急速な進歩や産業構造の変化により、不確実で将来の予測が困難な社会において、今後は多様な価値観やスキルを持つ多彩な人材が求められることになるだろう。

そのような状況の中、大学生が就職活動を迎えて初めて自分の将来を考えたり、内定獲得をゴールにしたりするのではなく、低学年時から自らの将来を考え、内定獲得や入社後のキャリアを考える環境づくりを目指したサービスが「My CareerStudy」だ。

 

「高校生は大変な受験を終えてやっと大学に入り、1年生、2年生と大学生活を送って、3年になる頃には、もう就職活動の始まりが見えて自分のキャリアについて考えなければいけないわけです。早いですよね。この前まで高校生だったのに、いきなり将来の仕事なんて言われても、戸惑いしかないのではないでしょうか」(三枝靖明、以下同)

 

そんな大学生にキャリアの学びを提供する「My CareerStudy」は、ハードルはなるべく低く、初めの一歩を踏み出しやすい構造を心がけたという。

 

自分はどんなキャリアを目指すのかを考える鍵は“自己認知”にあると思っています。自分の強みは何か、どこが弱いのか。苦手なことは何か、どういうことがしたいのか。それをまず知ることが大事です。どんな仕事がしたいのかと尋ねられると、よくあるのが消去法です。たとえば、接客が苦手で、人に営業することも不得意となれば、営業職はないですし、何らかの技術がなければ研究職もない。そうやって残されたもののなかから、じゃあこの辺で……という消去法の選び方はもったいないですよね? もしかしたら、適性は別のところにあるかもしれないですし、もっと違う仕事ができる人かも知れませんから」

 

自分にあった仕事とはどういうものかを考える上で、業界研究や職種研究などから始めるケースが多いが、三枝は“自己認知”が重要という観点から、「My CareerStudy」には“社会人基礎力診断 MATCH plus Action”というツールを用意した。これで自分の強み・弱みを知り、ここを伸ばしたいというスキルがあれば、Eラーニングの講座が豊富に用意されている。

 

「どの動画も15分程度で、忙しい学生生活のスキマ時間に気軽に受講できるものばかりです。大学生低学年くらいの時期は、“まだ就職のことなんて考えたくない”というのが本音だと思います。そうこうしているうちに高学年になって、就職活動を終えてから“もっといろいろ考えておけば良かった”と後悔しないためにも、どんどん「My CareerStudy」を利用して学びを深めていただきたいですね

 

多様性の時代だからこそ、“個性的であっていい”

VUCAの時代と言われるようになって久しいが、政治や経済など私たちをとりまく環境は依然としてまったく予測不可能だ。これから社会に出て行く若い人にとって、どんな仕事を選ぶか、どんな生き方をしていくかを考えるのは決して容易なことではない。

 

「これからどうしたらいいのかと、学生のみなさんは不安だと思います。もしかしたら、未来に期待をしなくなったという人もいるかもしれません。災害や大きな社会的変化が起きると、もらえるお金じゃなくて働きやすさを優先するとか、是が非でも仕事を自分の人生の中心にしないとか、キャリアに対する考え方にも状況によって変化が出てきます。それはもちろん、良い悪いの問題ではないのですが、就職活動はもっと個性的であっていいのではないかと思うのです

 

多様性の重視が謳われてはいるが、“個性的であっていい”とはどういうことなのだろうか。

 

「就職活動は、他人に採用・不採用を判定されることなので、怖い局面だと思います。受験だったら点数という目に見える形で判断されますが、就活は誰にでも納得できる判断基準があるとは限りません。学生が、今まで出会う機会があまりないような大人を前にし、しかもそこで合否を判定されるとしたら、少なからず萎縮してしまって大人の言うことに同調してしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、そういう時代も終わりつつあります。他人に合わせるのが自分の意志なら良いですが、本心は違うのだったら、思い切って個性を発揮してほしいと思います

 

三枝がそのように考えるようになったのは、確かな時代の変化を感じるからだという。

 

「日本の生産労働性は国際的に見てもなかなか上がらず、労働人口が減ってきています。さらにVUCAの時代となれば、価値観の多様性や、背景にある文化の多様性など、今後はより良いアイデアや創造性がますます必要とされる時代になるでしょう。人と違っていても大丈夫。その方が素敵なのですから

 

My CareerStudy」は、自分は何者であるのかを知るきっかけに

個性的に就職活動をする。そのためにも自分の適性を知ることは大事になる。しかし、学生は勉強もあるし、友人との交友や趣味なども楽しみながら、自分と向き合う時間がなかなか取りにくいというのが実情ではないだろうか。

 

「My CareerStudy」は、就活のために何かやらなくちゃという気持ちで入るのではなくて、まず「自分は何者なのだろうか」とか、「何になりたいのだろうか」、というところから入ってもらいたいなと思っています。いざ就職活動が始まってしまってから、「あれ?自分は何を目指していたんだっけ?」と振り返っても、時間がなくて考えられないということは往々にしてあります。機会がないと考えられませんから、ぜひ「My CareerStudy」をそのきっかけにしてもらえればと思います」

 

My CareerStudy」には“オープンバッジ”という機能があり、1EdTech国際技術標準に則って、学生が修了したコースやプログラム名、バッジ保有者の氏名などを安全に保存し、必要に応じて世界共通で証明するデジタル証明書として使用できるようになっている。これは学生が自分の適性を知る手段になり、学習のモチベーションにもつながりそうだ。

 

「就活もマッチングだとよく言われますが、僕はちょっと違うのではないかと思っています。マッチングは、ABがお互いに手を取り合うものですが、就活の場合は片方から先に手が出て、受け取る側は後から手を出すケースも多いです。または、片方からいっぱい手が出ている中から、こちら側は“じゃあこれ”ってひとつを選ぶケースもある。就活は本来、差し出される手の数は少なくても実現できるはずなのです。その点、「My CareerStudy」は自分の得意を見つけ、強みを伸ばせるサービスなので、悩んでいる子たちにとっては選択肢がひろがっていき、行きたいところをしぼり込むこともできる。また、企業にとっては、こんな仕事、会社があるという、自社の認知のきっかけを作り出すことにもつながります。それを学生の育成という社会貢献の一環と捉えていただく企業さんも増えてきていますので、今後「My CareerStudy」の果たす役割もより重要性が高まるようにしていきたいと思います」

 

 

経済環境の大きな変化やAIの台頭で、今私たちのキャリアを巡る事情も激しく揺れ動いている。「どんな仕事をして生きていくか」という問いに対して、誰もが簡単に答えることができない時代だ。だからこそ、自分の適性を知り、心の底にある思いに向き合う時間がより重要性を増す。「My CareerStudy」は、迷う学生たちの心の支えとしてますます活用されていくだろう。

 

 

Profile

三枝靖明(さえぐさ・やすあき)

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 キャリアデザインプロダクト推進事業室 事業室長

2003年にデザイン会社に入社。SIer系企業で情報アーキテクトの経験を積み、2006年にマイナビへ入社。以来、就職情報サイト『マイナビ』のシステム開発や学生サービスの企画・運用に従事する。並行して、2021年にクロスファンクショナル組織としてMy Career事業準備室(現 キャリアデザインプロダクト推進事業室)を立ち上げ、2023年に『My CareerStudy』と『My CareerID』をリリースした。

 

 

【取材・文:定家励子(株式会社imago)】

【写真:高橋圭司】

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