株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)が運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』(https://tenshoku.mynavi.jp/)は、2023年に新卒入社した男女(新入社員)800名を対象に行った「新入社員の意識調査(2023年)」の結果を発表しました。本調査では、新入社員の将来への危機感や勤続意向などが明らかになりました。

 

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TOPICS

・今の会社」「今の仕事」が20年以上あると思う人は半数にとどまる。DXや生成系AIなどの影響か「IT」「経理・事務・企画」などの職種で3割が「10年以内に仕事がなくなると思う」【図1、2-1、2-2】

・新入社員の約半数が10年以内に退職予定。3年以内の退職意向者は男性18.3%、女性は30.0%。女性はライフステージの変化に備え早めのキャリア形成を視野に【図3、4】

・月収別に勤続意向年数を見ると、月収18万円以下では「3年以内」が36.7%で最も多く、月収22万円~24万円台では「10年以上」が37.1%で最多となり、月収が勤続意向年数に影響【図5】

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【調査結果の概要】

新入社員に対して、今の会社が何年後まであると思うかを聞いたところ、「20年以上」は49.9%と約半数となり、今の職務内容でも「20年以上」は40.5%となった。特に「IT」「技能工・物流・配送」「経理・事務・企画」などでは「10年以下」が3割を超えた。DXや生成AIの出現をはじめ、社会が変化していくなかで今後も同じように働き続けることができるのか、不安を感じている様子がうかがえる。一方「医療・福祉・教育」では「20年以上」が66.4%と、全体平均よりも25.9pt高い結果となった。少子高齢化の影響もあり今後も継続してニーズがあると感じているようだ。【図1、2-1、2-2】

 

【図1Q.今の会社は何年後くらいまであると思う?(2023年新卒新入社員 n=800)

 

【図2-1Q.今の仕事は何年後くらいまであると思う?(2023年新卒新入社員 n=800)

 

【図2-2Q.今の職種内容は、何年後くらいまであると思う?

新入社員の勤続意向年数は「3年以内」が24.1%、「10年以内」では49.1%となった。男女別に勤続意向年数をみると「3年以内」と答えたのは、男性が18.3%、女性が30.0%となった。10年以内に離職を考えている人に今の会社で働き続けない理由を聞くと、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」で、男性が20.9%に対し女性が41.6%と約2倍の結果になり、出産など自身の環境変化への対応差が感じられる。【図3、4】

 

【図3Q.今の会社であと何年くらい働くと思いますか?

【図4Q.今の会社で、ずっと(長く)働くと思わない理由は?

 

現在の月収別に勤続意向年数をみると、「月収18万円以下」では「3年以内」が36.7%で最多となった。「月収22万円~24万円台」では「10年以上」が37.1%で最も多く、給与が勤続意向に一定の影響を与えることがうかがえた。【図5】

 

【図5Q.今の会社であと何年ぐらい働くと思いますか?(直近の月収別)

今の職場がゆるいと感じている人のうち24.8%が3年以内の退職を予定。職場がゆるくても退職意向は一定数あることがわかった。また、今の仕事環境がどのような環境かを聞くと「ゆるい職場」と「ゆるくない職場」の差が最も大きかったのは「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い(-13.6pt)」、次いで「1人で進める仕事が多い(+13.3pt)」となった。上司や同僚とコミュニケーションを取りながら仕事を行うことで、ゆるい職場と感じることが減るようだ。【図6、7】

 

【図6Q.今の会社であと何年ぐらい働くと思いますか?(職場環境別)

 

【図7Q.今の仕事環境はどんな環境か(職場環境別)※「ゆるい職場」と「ゆるいと感じない職場」の差が大きい5項目抜粋

 

上司や先輩の態度や行動でうれしかったことは「雑談で話し掛けてくれる」が60.6%で最多。「褒めてくれる(36.8%)」と「良くない時はきちんと指摘してくれる(31.4%)」はともに3割以上となり、上司や先輩は成長のための指導をするだけではなく、雑談などを含めた積極的なコミュニケーションが求められている。【図8】

 

【図8Q.上司・先輩の態度や行動でうれしかったこと(勤続意向年数別)

 

【総評】

新入社員の半数が10年以内に退職意向というのは例年通りの傾向ですが、今年は「給与」「社会の変化」への不安も顕著になりました。特に、20年後の自身が40代になる頃に「会社が存続しているのか」「どんな仕事をしているのか」想像がつかないというのは、上司先輩世代が新人の頃に抱いていた焦りとは異なるものかもしれません。

また「今の会社で定年まで働く予定」が2割を切っていることを考えると、「他社でも通用する人材にならなければ」「仕事(収入手段)を失わないためにどうすべきか」という焦りや危機感を覚えることも想像がつきます。

そんな彼らの定着には「寄り添い、不安を払拭するコミュニケーション」がますます重要になります。業務だけでなく今後のキャリアを相談できる関係性を築くために、コミュニケーション量を増やし話し掛けやすい雰囲気を作る、「1on1」や定期面談を実施していくなど、身近なところから始めてみてはいかがでしょうか。

『マイナビ転職』編集長 荻田泰夫

 

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【調査概要】

マイナビ転職『新入社員の意識調査(2023年)』

調査期間:2023年6月16日(金)~6月18日(日)

調査方法:2023年卒の新入社員を対象にWEB調査を実施

有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)

※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります

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上記のほか、対人関係の悩みや「職場がゆるい」ことへの不安、現在の職場環境と勤続意向年数の関係、上司の理想と現実のギャップなども調査しています。

 

調査結果の詳細は下記「マイナビ転職 キャリアトレンド研究所」で公開しています
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/15

 

※本件に関するお問い合わせは、こちらからお願い致します。