株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2026年卒業予定の全国の大学生、大学院生を対象に実施した、「マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査4月<就職活動におけるAI利用について>」の結果を発表しました。

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【TOPICS】

◆AIを利用したことがある学生は82.7%で、利用率は2年前と比較して2倍以上。就職活動での利用率は66.6%【図1、2】
◆就職活動でのAI利用は「エントリーシートの推敲のため(68.8%)」が最多。理由は「作業時間の短縮」が62.6%【図34
◆企業が選考でAIを使うことに対して「使ってよいと思う」のは「適性検査」。「使ってよいとは思わない」のは「面接」【図5
◆受験意欲の高まる面接は「対面面接・WEB面接」で、下がる面接は「動画選考・AI面接」。学生が一次面接で選びたい面接手法は「WEB面接」。最終面接に向けて「対面面接」希望が増加【図67

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【調査概要】

◆AIを利用したことがある学生は82.7%で、利用率は2年前と比較して2倍以上。就職活動での利用率は66.6%

学生にAI利用について聞いたところ、利用経験のある学生は82.7%だった。2024年卒の学生の利用率は39.2%だったため、利用率は2年で2倍以上になっている。利用場面として最も回答が多かったのは「就職活動やそれ以外でも利用がある(62.3%)」で、学生生活の中でAI利用が身近になっていることがわかる。また、就職活動でAIの利用経験がある学生は66.6%と、3人に2人は就職活動でAIを利用していることがわかった。【図12

【図1

【図2】

 

 

◆就職活動でのAI利用は「エントリーシートの推敲のため(68.8%)」が最多。理由は「作業時間の短縮」が62.6%

就職活動でのAIの利用方法を聞いたところ、最も多かったのは「エントリーシートの推敲(68.8%)」、次いで「エントリーシートの作成(40.8%)」となり、エントリーシートに関連した利用が上位にあがった。就職活動にAIを使う理由は「作業時間の短縮になるため(62.6%)」、「AIによって自身のアウトプットを改善・改良するため(58.0%)」と、タイムパフォーマンスを重視する現在の学生の価値観に沿ったものが多くあげられた。エントリーシート作成時の利用が多いことも、大量のデータを元にアウトプットが可能なAIの機能の特性とタイムパフォーマンスの高さが理由であると考えられる。【図34

【図3

【図4】

 

◆企業が選考でAIを使うことに対して、「使ってよいと思う」のは「適性検査」。「使ってよいとは思わない」のは「面接」

企業が選考の評価検討にAIを利用することについて学生の意見を聞くと、利用内容によって反応が異なることがわかった。「使ってよいと思う」1という意見が最も多かったのは「適性検査の評価検討(49.8%)」。一方「使ってよいとは思わない」2という意見が多かったのは「面接内容の評価検討(47.5%)」だった。明確に数値などで結果がでる適性検査ではAIの利用は受け入れられるが、人柄など数値で表すことの難しいものを評価する面接では受け入れられづらいのではないかと推察される。【図5
※1「積極的に使ってよいと思う」+「どちらかというと使ってよいと思う」の計
※2「全く使ってよいとは思わない」+「どちらかというと使ってよいとは思わない」の計

【図5】

 

◆受験意欲の高まる面接は「対面面接・WEB面接」で、下がる面接は「動画選考・AI面接」。学生が一次面接で選びたい面接手法は「WEB面接」。最終面接に向けて「対面面接」希望が増加

企業から指定される面接手法によって「受験意欲」に影響があるかを聞いたところ、受験意欲が「上がる」3のは「対面面接・WEB面接」、反対に意欲が「下がる」4のは「動画選考・AI面接」だった。時間や場所を問わず受験できるという利便性よりも、対人かどうかが受験意欲に影響していると考えられる。
また、面接手法を選べる場合にどの手法を選ぶかを聞くと、一次面接は「WEB面接(79.3%)」の希望が最多で、それ以降の選考段階では対面希望の割合が増え、最終面接では「対面面接(85.0%)」が最も選ばれた。対人かどうかが受験意欲に影響を及ぼすうえ、最終面接など重要な選考段階においては、WEBではなく対面でのコミュニケーションを求める学生が多いことがわかった。【図67
※3「受験意欲が高まる」+「どちらかと言えば受験意欲が高まる」の計   
※4「受験意欲が下がる」+「どちらかと言えば受験意欲が下がる」の計

【図6】

【図7】

 

【調査担当者コメント】

 

2022年に自然言語処理のできるAIチャットボットが普及して以降、急速にAIが広まり、 AIを用いた様々なサービスが登場しています。その影響範囲は広く、ビジネス場面から日常生活まで及んでいるため、学生の中でもAI利用が広がっているようです。就職活動においても3人に2人がAIを利用した経験があり、特にエントリーシートの作成・推敲に活用されていることがわかりました。一方、企業が選考でAIを利用することについては、学生側で賛否が分かれました。企業も学生もAIの情報を全てうのみにせず、AIを「答えを教えてくれるもの」としてではなく、より良いアウトプットや決断をするための「補助ツール」として活用することで、双方にとって納得のいく選考ができるのではないでしょうか。

マイナビキャリアリサーチラボ  研究員 中島 英里香

 

 

 

 

 

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【調査概要】「マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査4月<就職活動におけるAI利用について>」

○調査期間/2025年4月25日(金)~2025年4月30日(水)  
○調査方法/マイナビ2026の会員に対するWEBアンケート
○調査対象/20263月卒業予定の全国の大学生、大学院生
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/1,385名(文系男子230名 文系女子546名 理系男子293名 理系女子316名)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。

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