株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2022年以前から現在まで同じ職種として働いている看護・介護・保育職※1と、一般会社員を対象に実施した「エッセンシャルワーカー(看護・介護・保育)に関する調査」の結果を発表しました。

※1 今回は看護・介護・保育の3職種を対象に調査。(参照:マイナビキャリアリサーチLab「エッセンシャルワーカーとは」

 

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【TOPICS】

◆直近の1年間で賃金のベースアップがあった看護・介護・保育職の具体的なベースアップ金額は、一般会社員と比較して平均1万円以上低い結果に【図1、2、3】

◆看護・介護・保育職が、自分の働きに見合うと思う理想の年収額と現実とのギャップは平均130万円以上で、一般会社員(平均‐89万円)と大きな差【図4】

◆平均で約7割の看護・介護・保育職は、仕事に充実感ややりがいを「感じている」と回答。特に看護・保育職は賃金の不満・不安に関係なく、一般会社員(47.0%)よりも充実感が大きい結果に【図5、6】

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【調査概要】

◆直近の1年間で賃金のベースアップがあった看護・介護・保育職の具体的なベースアップ金額は、一般会社員と比較して平均1万円以上低い結果に

看護・介護・保育職と一般会社員それぞれに、直近1年間の賃金のベースアップ※2の有無をきくと、「ベースアップがあった」割合は看護・介護・保育職全体(平均15.9%)と一般会社員(18.5%)で同程度だった。一方で具体的なベースアップ金額は、一般会社員が平均で17,689円上がっているのに対し、エッセンシャルワーカー全体の平均は6,831円と、金額に1万円以上の差がみられた。【図1、2】

また、現在の年収に対する満足度を100点満点できくと、看護・介護・保育職全体の平均は49.4点で、一般会社員の平均56.0点と比べて満足度が低い結果となった。このことから、看護・介護・保育職の賃金ベースアップは少しずつ進んでいるものの、一般会社員よりも上がり幅が小さく、年収に対する不満がやや大きいことが分かる。【図3】

※2 ベースアップ:すべての従業員の給与が一律で上がること(参照:サポネット「ベースアップとは」

 

【図1】

【図2】

【図3】

 

◆看護・介護・保育職が働きに見合うと思う理想の年収額と現実とのギャップは平均130万円以上で、一般会社員(平均89万円)と大きな差

看護・介護・保育職と一般会社員それぞれに、自分の働きに見合うと思う年収額と現実の年収額をきいたところ、働きに見合うと思う年収額は看護・介護・保育職全体で平均548万円、一般会社員では平均573万円とほぼ同水準だった。それに対し、現実の年収額は看護・介護・保育職全体で平均414万円、一般会社員で平均484万円と、現在の平均の年収額では70万円の差がみられた。看護・介護・保育職全体で働きに見合うと思う年収額と実際の年収額の差は130万円以上あり、患者、利用者、園児の命を預かる仕事の責任や、労働力不足による業務負荷などに対する対価が十分に支払われていないと感じているのではないかとも考えられる。【図4】

【図4】

 

平均で約7割の看護・介護・保育職は、仕事に充実感ややりがいを「感じている」と回答
特に看護・保育職は賃金の不満・不安に関係なく、一般会社員(47.0%)よりも充実感が大きい結果に

現在の仕事に充実感ややりがいを感じているかをきくと、「感じている」(「とても感じている(24.8%)」+「やや感じている41.1%」)と回答したのは看護・介護・保育職全体で平均65.9%、一般会社員で47.0%となった。業種別でみると保育の77.0%が最も高く、次いで看護で62.3%、介護で58.3%となった。【図5】

看護・介護・保育職のなかでも、特に看護と保育は現在の職種を志した時期が早い傾向にあり、10代のうちから志している割合が高い。そうした点が影響しているのか、看護・保育職は現在の年収などの金銭的な不満・不安とは関係なく、仕事に対する充実感ややりがいを強く感じている傾向であることが分かった。【図6】

 

【図5】

 

【図6】

 

【調査担当者コメント】

政府が看護・介護・保育職の賃上げを行う方針を掲げているなか、なかなか進んでいないのが現状です。今回の調査でも、賃金のベースアップがあったと答えた人はいずれの職種でも1割台で、ベースアップの金額は一般会社員と比べて1万円以上低いことが分かりました。看護・介護・保育職は、志を持って仕事に就く人や、やりがいを感じている人も多くいます。一方で、調査結果では3職種とも自分の働きに見合うと思う年収と現実の年収に100万円を超える差がありました。
今後も少子高齢化が進む社会において、看護・介護・保育職は今以上に重要となってきます。そのなかでこのような状況が常態化してしまうと、人手不足が解消できなくなる恐れがあります。看護、介護、保育職の「やりがい」と「賃金」のバランスを取るため、早期の状況改善に期待します。

医療福祉第1統括本部 統括本部長  酒井 貴文

 

 

 

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【調査概要】「エッセンシャルワーカー(看護・介護・保育)に関する調査」

○調査期間/2024年8月6日(火)〜2024年8月19日(月)

○調査方法/クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査

○調査対象/20~59歳男女/正社員勤務
2022年以前から現在の勤め先で同じ職種で働いている会社勤務者 
※介護のみ公務員・教職員・団体職員を含む
職種:介護(介護福祉士・社会福祉士・精神福祉士)、看護(准看護師・正看護師・保健師・助産師)、保育(保育士・幼稚園教諭)、一般会社員(介護・看護・保育を除く)
※除外職業(本人及び家族):転職サービス・転職エージェント、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・広告等マスコミ関係、市場調査

○調査機関/株式会社クロス・マーケティング

○有効回答数/看護・介護・保育:各300、一般会社員:600

※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。

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