株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査(2024年1月-3月)」の結果を発表しました。

————————————————————————————————————————

《TOPICS》

◆2024年3月の企業の中途採用実施率は44.3%で調査開始以降緩やかに増加。業種別では「IT・通信・インターネット」の実施率が最も高く54.7%と半数を超える結果に【図1、2】

◆転職活動実施率は3.8%と、直近1年間で減少傾向。特に20代の減少が目立ち、転職活動時の悩みは「自分に向いている仕事がわからない」「自分のアピールポイントがわからない」が最多【図3、4、5】

◆中途採用募集時の年収を上げた企業は37.1%、今後上げる予定は43.6%。増額後の年収の平均は489.1万円で、増額前と比較し約60万円高い【図6、7、8】

————————————————————————————————————————

【調査概要】

◆2024年3月の企業の中途採用実施率は44.3%で調査開始以降緩やかに増加。業種別では「IT・通信・インターネット」の実施率が最も高く54.7%と半数を超える結果に

2024年3月の企業の中途採用実施率は44.3%。調査を開始した2021年9月からの推移を見ると緩やかに増加していることがわかる。特に直近3カ月は増加傾向となった。【図1】

業種別に見ると、中途採用実施率がもっとも高かったのは「IT・通信・インターネット」、次いで「医療・福祉・介護」、「フードサービス」と続いた。IT業界のほか、慢性的な人手不足に悩まされる医療業界・飲食業界において採用意向が高く、半数以上の企業が中途採用を実施していることがわかる。【図2】

 

【図1】

 

【図2】

 

◆転職活動実施率は3.8%と、直近1年間で減少傾向。特に20代の減少が目立ち、転職活動時の悩みは「自分に向いている仕事がわからない」「自分のアピールポイントがわからない」が最多

2024年3月の個人の転職活動実施率は3.8%(前年比:-0.6pt)で、直近1年間は減少となった。月別にみると、1月は特に転職活動実施率が低いが、2月、3月は増加傾向にある。

年代別では、直近1年間で20代の転職活動実施率が下がった。また、1、3月の転職活動実施率は20代よりも30代の方が高くなった。【図3、4】

転職活動時の悩みでは、20代で「自分に何が向いているかわからなかった(37.9%/全体比較+10.5pt)」、「何をアピールすべきかわからなかった(37.9%/全体比較+11.6pt)」が同率でトップとなり、他の年代と大きな差が見られた。中途採用において経験者・即戦力が求められる中、20代は現在の職場でスキルを向上させないと転職できないと感じている人がいる可能性がある。【図5】

 

【図3】

 

【図4】

 

【図5】

 

◆中途採用募集時の年収を上げた企業は37.1%、今後上げる予定は43.6%。増額後の年収の平均は489.1万円で、増額前と比較し約60万円高い

中途採用募集時の年収を上げた企業は37.1%、まだ上げていないが、上げる予定の企業は43.6%となった。合計で約8割超の企業が募集時の年収を上げた・または上げる予定であることがわかった。

年収を上げる理由を聞いたところ、「応募者の質を上げるため(50.0%)」が最多となり、次いで「応募数を増加させるため(47.5%)」となった。企業は応募者の質の高さをもっとも求めていることから、経験者や即戦力を求める傾向が続いているようだ。【図6、7】

また、年収を上げる前の平均金額は429.3万円、上げた後の年収の平均は489.1万円と、増加前と比較し59.8万円高かった。業種別に見ると、増額後の募集時の年収がもっとも高かったのは「IT・通信・インターネット」が平均532.1万円で、採用意欲の高さがうかがえる。【図8】

 

【図6】

 

【図7】

【図8】

 

【調査担当者コメント】

今回の調査では、企業の中途採用実施率が増加傾向にあり、募集時の年収も増加傾向にあることがわかりました。多くの企業が質の高い人材を確保するために、経験者や即戦力となる人材を求めて募集時の年収を引き上げています。

しかし、中途採用の給与待遇が良くなる一方で、求職者の中にはそのハードルの高さに不安を感じる人もいると考えられます。特に20代の転職市場における活動率は低下傾向にあり、月によっては30代の活動率を下回ることもありました。20代は、「自分に何が向いているかわからなかった」「何をアピールすべきかわからなかった」ことを転職活動時の悩みとして挙げています。

これまで転職市場では年齢が大きな障壁となっていましたが、今後は年齢よりも「どのようなスキルを持っているか」がより重要となる可能性があります。

キャリアリサーチラボ 研究員 朝比奈あかり

————————————————————————————————————————

「中途採用・転職活動の定点調査(2024年1月-3月)」

【調査期間】 2024年4月1日(月)~2024年4月3日(水)

【調査機関】WEBアンケート調査(調査主体:株式会社マイナビ アンケートモニター提供元:外部調査会社)

○調査対象/

<企業>スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人

本調査対象:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3カ月で採用活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人

<個人>スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20‒50代の正社員

本調査対象:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3カ月で転職活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人

○有効回答数/企業:スクリーニング調査4,880件 本調査858件   

個人:スクリーニング調査28,521件 本調査1,382件  

※調査結果の詳細は下記からご確認いただけます。

3月結果:https://career-research.mynavi.jp/?post_type=reserch&p=74797/

2月結果:https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240329_73197/

1月結果:https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240301_71292/

————————————————————————————————————————

※本件に関するお問い合わせは、こちらからお願い致します。