株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生(3,924名)を対象に、「2024年卒大学生 Uターン・地元就職に関する調査」の結果を発表しました。

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【TOPICS】

・地元(Uターン含む)就職を希望する学生は23年卒と同値で62.6%【図1】
・地元就職希望の理由は「両親や祖父母の近くで生活したいから 」「実家から通えて経済的に楽だから」「地元での生活に慣れているから」。背景にあるのは、経済面・生活面で安心感を持ちたいという意識【図2、3】
・地元を離れているUターン就職希望者のうち、セミナーの実施形式が参加申し込みに影響したことがある学生は57.9%【図4、5】
・Uターン就職希望者が就職活動の際に利用するのは新幹線が27.7%、飛行機(LCCなどを除く)が5.2%。そのうち東北の学生は52.3%が新幹線を利用し、九州・沖縄の学生は17.4%が飛行機を利用していると回答し、地域差が大きい結果に【図6】

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【調査概要】

2024年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生が、地元(Uターン含む)就職を希望する割合は62.6%で、前年同率となった。経済状況の推移を有効求人倍率とあわせて見ると、景気が上昇傾向で求人倍率が比較的高い2017年卒以降は、都市圏の大手企業などで就職意向が高まっていたが、コロナ禍以降の経済状況が不透明で求人倍率がやや低下してからは地元就職意向が高まっていると考えられる。現在は物価高などにより景気回復の実感が薄いことや、オンラインの普及により情報収集や選考参加しやすいことなどが、地元就職意向が高い水準を保っている背景にあると考えられる。【図1】

 

【図1】地元(Uターン含む)就職希望者
「希望する(していた)」+「どちらかというと希望する(していた)」の割合

 

 

地元就職希望の理由の1位は、例年同様「(自分の意思から)両親や祖父母の近くで生活したいから 」(50.6%)、次いで「実家から通えて経済的に楽だから(41.0%)」、「地元(Uターン先)での生活に慣れているから(38.1%)」が続いた。自由回答では「新卒で一人暮らしは経済的負担が大きい」「まずは実家で暮らして仕事に慣れたい」「ライフスタイルの変化があった時にも頼れる人が近くにいる環境がいい」などが挙がった。一人暮らしで経済的な不安を抱えたくないという気持ちや、社会人になる時や将来家庭を持った時などライフスタイルが変化する時期は、家族や友人などがいる環境で生活したいという意識があると推察される。【図2、3】

 

【図2】地元就職を希望する理由(上位抜粋)

 

【図3】最も働きたい勤務地を選んだ理由(地元就職希望者のコメントを抜粋)

 

 

セミナーの実施形式が参加申し込みに影響したことがあるか聞いたところ、地元外に進学しているUターン就職希望者の57.9%が、「影響したことがある」と回答した。詳細を見ると、「WEB参加可能だったのでエントリーすることにしたセミナーがある」学生は45.0%、「WEB参加不可(対面のみ)だったためにエントリーしなかったセミナーがある」学生は24.6%だった。開催手法により申し込みを見送った学生もいることが読み取れる。【図4、5】

 

【図4】<地元外進学でUターン就職を希望する学生>
セミナーの実施形式が参加申し込みに影響したことがあるか

 

【図5】<地元外進学でUターン就職を希望する学生>
セミナーの実施形式が参加申し込みに影響したことがあるか(複数回答)

 

 

Uターン就職希望者が就職活動で利用する交通手段について、全体では27.7%が新幹線を利用し5.2%が飛行機(LCCなどを除く)を利用している。また地域別でみると、東北では新幹線の利用が52.3%、東北や四国では長距離バスの利用が3割以上、九州・沖縄では飛行機の利用が17.4%など、地域によっては費用の高い交通手段を用いて活動している学生が少なくないことが分かり、地元までの移動は金銭的にも大きな負担であることが見て取れる。【図6】

 

【図6】<Uターン就職希望者>
卒業高校エリア×就職活動の際、利用する交通手段

 

 

【調査担当者コメント】

Uターン就職希望者の57.9%が「セミナー実施形式が参加申し込みに影響したことがある」と回答し、約4人に1人はWEB参加不可だったので参加申し込みしなかったセミナーがあると答えています。Uターン就職を希望する学生にとってオンライン形式はセミナー申し込みの後押しになり情報収集において重要な手段になっていることが分かります。コロナ禍での移動制限や感染対策を踏まえて普及したオンライン化ですが、コロナ禍が沈静化したあとも情報収集のしやすさという観点で重宝されているようです。今後も対面・オンライン両方で情報発信するなど、学生が企業情報を知る手段を複数用意しておくことで、企業がより多くのUターン希望学生と接点を持つ機会に繋がりそうです。

マイナビ キャリアリサーチラボ 沖本麻佑

 

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マイナビ「2024年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査」
■ 調査期間:2023年3月20日(月)~4月5日(水)
■ 調査方法:3月20日時点のマイナビ2024会員にWEBDMで配信。
■ 調査対象:2024年3月卒業見込みの全国の大学生、大学院生 ※調査時点
■ 調査機関:自社調べ
■ 有効回答数:3,924名(文系男子:684名、理系男子:678名、文系女子:1,705名、理系女子:857名)

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