8割が学び直しに興味あり。一方、キャリアアップ成功は少数派。理想と現実にギャップ
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川信行)の総合転職情報サイト『マイナビ転職』は、20代~50代の会社員800名を対象に「社会人の学び直しに関する実態・意識調査」を発表しました。
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≪TOPICS≫
◆「学び直しに興味がある」と答えた人の割合は82.1%。【図1】
◆学び直しに対する興味は強い一方、プライベートの時間を使って学び直しを「現在している」割合は16.9%にとどまった。【図2】
◆「学び直しに期待すること」と「学び直しにより得られた結果(成果)」を比較すると、「資格の取得」を期待する人が33.9%と最も高く、27.6%が成果を得られたと回答。一方「昇進・昇格」「昇給」「良い条件での転職」については、期待に対して成果が少ないという結果に。【図3】
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【調査概要】
社会人の学び直し・リカレント教育に注目が集まるなか、興味があっても行動に移せない現状があるようだ。政府が実施している「人生100年時代構想会議」において、学び直し(リカレント教育)の機会を拡充していくことが明示されていることもあり、「興味がある」と回答した人は8割を超えた。一方で、半数近くの人は一度も学び直しを経験したことがなく、現在学び直しをしている人も16.9%にとどまる結果となった。
多くの人が興味を持っている学び直しではあるが、期待すること(理想)と、実際に得られる結果(成果)の間には、大きなギャップがあることが明らかになった。個人の勉強の積み重ねが直結する「資格の取得」については成果が見られるが、昇進や昇給、転職の成功などのキャリアアップに対しては、必ずしも成果に結び付くわけではない現状が伺える。
キャリアアップに対する期待値を持つも、思っていたような結果につながらないことが、学び直しに興味があってもプライベートの時間を削ってまで行動に移せない原因のひとつかもしれない。学び直しで得たことがキャリア形成に生かせる環境整備が、今後の学び直しの広がりに重要になるだろう。
【図1】
【図2】
【図3】
【総評】
学び直しや人生100年時代に向けた働き方の変化は、以前から必要性が唱えられていました。
特に今回の新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛やテレワークへの移行により、これまでの働き方を見つめ直すだけでなく、学びによって自分自身を高めていく必要性を改めて実感する機会になりました。
学びのコンテンツはインターネット上にもたくさんあります。現職でのスキルアップでも、新しくやりたいことへのチャレンジでも構いません。まずは気軽に、興味を持てることから始めてみるのもよいでしょう。ゴールデンウイークも外出自粛が続きますが、学び直しを行う機会と捉え実践してみてはいかがでしょうか。
一方、企業にとっても学び直しを促進することは重要な課題です。長期的な視点で見ると、労働人口の減少は普遍的な事実であり、人材確保はますます困難になっていくと考えられます。
このような状況の中で、従業員の学び・スキルアップを後押しし評価する姿勢を持つことは、現社員の定着だけでなく、意欲の高い人材を惹きつける重要な要素の一つになるでしょう。
『マイナビ転職』編集長 荻田泰夫
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【調査概要】『マイナビ転職』「社会人の学び直しに関する実態・意識調査」
調査期間:2020年2月27日(木)~3月2日(月)
調査方法:全国の会社員20~59歳を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:20代200名 30代200名 40代200名 50代200名 ※性別は各年代で半々)
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※本調査では、学び直しに取り組めない理由や、学び直しの実践と残業時間との関係、学び直しの内容なども同時に調べています。
調査結果の詳細は『マイナビ転職 キャリアトレンド研究所』で公開中です。
URL:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/03