株式会社 毎日コミュニケーションズ <以下、マイコミ>(本社:東京都千代田区、社長:中川信行)は、2010年春卒業予定学生を対象とした、企業の新卒者採用状況と学生の就職活動状況をまとめた「2009年度 就職戦線総括」を発表しました。調査結果の概要は以下の通りです。


<調査結果の概要>


■ 【学生の意識】約9割が、就職環境は厳しくなるとの認識で活動をスタート。会社選択のポイントは「安定している会社」、希望する働き方は「新卒で入社する会社で長く勤めたい」との志向が強まる
就職活動初期の2008年10月、学生に自分達の就職環境に関して聞いたところ、「厳しくなる(「多少厳しくなる」+「かなり厳しくなる」)」と回答した学生が約9割にのぼった。前年同時期(約1割)と比べると大きく異なる結果となっており、学生は就職活動のスタート時から強い危機感を持っていたことがわかる(※1)。
会社選択のポイント(※2)としては、前期3位だった「安定している会社」が今年は大きく数値を伸ばし、「働きがいのある会社」を抜いて2位に浮上した。なお、首位は前期同様「やりたい仕事ができる会社」となった。また、希望する働き方(※1)として「新卒で入社する会社で長く勤めたい」が前期同様首位となり、今期はさらに回答全体に占める割合を伸ばした。学生の「安定志向」や「長く勤めたい」との志向は、ここ数年強まってきていたが、今期の厳しい景況感を受けて一段と強まる結果となった。


■ 【学生の動き】企業へのエントリーや、セミナーへの参加など前年を上回る数で活発に行動
「マイナビ2010」をはじめとした主要就職情報サイトが2008年10 月1 日に正式オープンし、学生の就職活動も一斉に本格稼働した。今期は、前期までの絞り込んだエントリー行動から一転し、2008年10月から2009年5月までの学生一人当たりの平均エントリー社数の累計は76.90社となり、前期の66.28社から10.62社増加した(回答数全体を母数とした集計)。また、同期間における学生一人当たりの個別企業セミナーへの平均参加社数の累計も、今期は25.78社と前期の23.08社を2.75社上回っており、学生の積極的な動きが見て取れる結果となった(※1)。


■ 【企業の動き①】景気後退の影響は避けられず採用拡大から採用縮小へ転換
前期まで続いていた採用拡大傾向は、今期から縮小傾向へと転換したと言える。採用数に関しては(※3)、「前年より増やす」とする企業の割合が減少し、逆に「前年より減らす」とする企業が増加。その結果、「前年より減らす」と回答する企業の割合が「前年より増やす」と回答する企業の割合を上回る結果となり、全体的に縮小傾向となった。
ただ依然として、大学生を「前年並みに採用する」としている企業は約50%あり、新卒採用を継続する企業姿勢も見てとれる。なお、新卒採用を実施する理由としては、「組織の維持存続と強化」「将来の幹部候補・コア人材の確保」「年齢等人員構成の適正化」が前期同様に上位となり、中でも「年齢等人員構成の適正化」は大きく伸びた(14.4ポイント増)。一方、「経営状態の好転・既存事業の拡大」は大きく数値を下げる結果となった(16.1ポイント減)。


■ 【企業の動き②】企業の情報提供は例年通りスタート。その後の選考フェーズは後倒し傾向
企業の採用活動スケジュールを振り返ると、前期同様、10月に採用情報の公開、12月にオープンセミナーの実施という、企業認知のための情報提供が定着しつつある。しかし今期は、年明け以降の主な活動である個別企業セミナーの開催、面接や筆記試験の実施、内々定出しといった選考フェーズのいずれも開始時期が前期より遅く、後倒し傾向が見られた。これは、採用活動早期化是正への企業側の対応が影響していると思われるほか、経済環境の変化により、新卒採用に関する各企業の意思決定が後倒しになったことでスケジュールに影響が出たことなどが要因として推測される。


■ 【企業の選考基準】基準を上げて質を重視、厳選採用の徹底
今期の選考基準を聞いたところ、前年より「厳しくする」という企業が29.5ポイントも増加し50%近くに達した。前期は80%以上の企業が「前年並み」との回答だったが、今期は「前年並み」との回答が大幅に減少し、「厳しくする」にシフトした形である。
また、「質・量の優先度」については、「徹底して質」と回答する割合が、大学院生(文系・理系)、大学生(文系・理系)ともに前期よりも10ポイント前後増加している。今期は、各企業とも、限られた採用人数の中で、採用基準を厳しくし、より質の高い学生を確保したいという意向がうかがえる結果となった(※3)。


■ 【内々定状況】内々定保有率、内々定保有社数とも低調
前期から最も大きな変化が見られたのが学生の内々定保有状況であり、前期と比べ、内々定保有率、保有社数ともに減少した。4 月末までに内々定を獲得した学生は47.0%で、前期の60.6%から13.6ポイント減少した。この数字は、売り手市場の入り口とも言える4年前(06卒47.6%)とほぼ同じ割合である。また、5月末になっても内々定を獲得した学生は全学生の63.5%となり、前期の76.7%からは13.2ポイント減少する結果となった(※1)。


■ 【今期の振り返りと今後】加熱していた人材獲得競争は一旦終息。今後は、質を求める採用へ
このように、今期はここ数年加熱していた人材獲得競争に一旦終止符が打たれた。来期に関しては、新卒採用には一定の底堅さもあることから、企業は経済動向をにらみながら採用人数を調整しつつ、質に対するこだわりを一層強めてくるだろう。一方、学生は就職活動への不安や焦りから今期以上に企業へのエントリーなどを活発に行うと予想される。そのような中で確実に応募者のなかから優秀な人材を見極め入社に導くためには、自社が求める「質」とは何かをこの機会にあらためて明確に再定義し、採用活動に臨むしっかりとした軸を持つことが重要であると言える。


(※1)10年卒マイコミモニター調査より
(※2)10年卒大学生の就職意識調査より
(※3)10年卒企業の採用予定調査より


※「2009年度 就職戦線総括」の詳細は『採用サポネット』(http://saponet.mynavi.jp)で公開しています