株式会社 毎日コミュニケーションズ <以下、マイコミ>(本社:東京都千代田区、社長:中川信行)は、2011年春卒業予定学生を対象とした、企業の新卒者採用状況と学生の就職活動状況をまとめた「2010年度 就職戦線総括」を発表しました。調査結果の概要は以下の通りです。



<調査結果の概要>


■ 【企業の動向①】新卒採用企業数に大幅な減少はみられず。採用数の増減は「変わらない」という回答が多数となり、一部で回復の兆しも見え始める
厳しい経済環境により、2011年卒学生の新卒採用を行う企業は前年に続き大幅に減少すると見られていたが、「マイナビ2011」などの就職情報サイトが企業情報を提供し始めた2009年10月1日時点のマイナビ掲載社数は対前年87.3%でスタートし、半年後の3月末時点でも対前年比88.0%に留まっていることから、採用企業数に大幅な減少は見られなかった。
採用数に関しては(※1)、「変わらない」という回答が最も多く、2010年卒同様に依然厳しさを残すものの、一部で回復の兆しも見え始めている。大学学部生の採用数は、文系で「増やす」が5.8pt増の13.1%、「減らす」が6.0pt減の16.3%、理系においても「増やす」が6.1pt増の14.1%、「減らす」が5.3pt減の14.9%と、「減らす」が「増やす」の割合を大幅に上回った2010年卒と比較すると、双方の回答比率が拮抗した。なお、新卒採用を実施する理由としては、「組織の維持存続と強化」「将来の幹部候補・コア人材の確保」「年齢等人員構成の適正化」が上位を占めた。一方、「経営状態の好転・既存事業の拡大」は対前年3.5pt増の19.4%、「販売・営業部門の増強」は対前年3.2pt増の25.8%という結果となった。



■ 【企業の動向②】会社説明会・セミナーの開始時期が遅れ、6月までに採用活動を終了する割合が増加。短期集中型の傾向
企業の採用スケジュールを振り返ると、例年と変わらず10月に採用情報の掲載スタートが集中した。しかし、選考を伴わないオープンセミナーの開始時期は前年同様12月がピークとなるも、2009年中の開催割合が対前年7.5pt減の59.1%となり、やや後ろ倒しとなった。企業の個別会社説明会・セミナーの開始時期もオープンセミナー同様に2009年中での開催割合の合計が対前年2.3pt減の13.8%となり、わずかに後ろ倒しの傾向が見られた。エントリーシートの受付は2月にスタートし、適性検査・筆記試験は3月が最も多く、面接開始時期は3~4月、内々定出しは前年同様4月に集中した。また、6月までに採用活動の終了を予定する企業が対前年10.3pt増の61.3%であることから、2011年卒はより短期決戦の傾向にあるようだ(※1)。



■ 【企業の選考基準】「量より質」の傾向はより顕著に
採用に回復の兆しが見られるものの、学生に「質」を求める傾向はより顕著になっている。2011年卒の選考基準を「厳しくする」企業は総合で対前年5.2pt減の39.4%となったものの、前年厳しくした選考基準を変更せず、「前年並み」と回答した企業が4.9pt増の60.2%となるなど、引き続き高い選考基準で推移している(※1)。また、「質と量の優先度」を比較してみても、「徹底して質を重視する」割合は大学(文系)で対前年8.0pt増の53.1%、大学(理系)で6.8pt増の51.0%と共に各カテゴリーで過去10年の中で最高の比率となっている。「量よりは質」と併せると文理共に9割を越え、「徹底して質」を求める傾向に変わりはない結果となった。



■ 【学生の意識】不安を抱えて就職活動をスタート。厳しい雇用情勢が影響し、文理男女すべてのカテゴリーで大手企業志向減少
2011年卒の学生は活動初期から「不安」を抱えて活動をスタート。就職に対する具体的な不安は、「本当に就職できるかどうか」が活動開始時の10月から最大の不安点として挙げられ、3月末時点でも対前年23.1pt 増の72.7%となった(※2)。また厳しい雇用情勢が影響してか、大手企業志向が少しずつ弱まってきている。「絶対に大手企業がよい」「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の回答の合計が文理男女全てのカテゴリーで減少する結果となり、会社選択のポイントでも「自分のやりたい仕事ができる会社」が4.4pt増の43.5%となる一方で、「安定している」が3.0pt減の23.0%となった(※3)。”安定した大手企業で働きたい”という意識は依然あるものの、厳しい現実を受け止め、広い視野を持って幅広く活動しているようだ。



■ 【学生の動向】企業へのエントリー数が増加し、活動は活発になるが、企業セミナーへの参加は開催数減少により微増に留まる
「マイナビ2011」などの就職情報サイトが企業情報を提供し始めた2009年10月1日以降、マイナビの6ヶ月間の総エントリー数は対前年137.8%と大幅な伸びを見せている。エントリー状況を比較してみると、「エントリー」を行った学生の割合及び、学生一人当たりの平均エントリー件数は対前年を上回っている(※2)。エントリーする基準も「多少でも興味が湧いた企業」を中心に幅広くエントリーするという回答が増加する結果となった。
エントリー数が増加する一方で、学生一人当たりの平均企業セミナー参加数は1.2pt増の23.8社にとどまっている(※2)。また、マイナビの企業情報提供開始6ヶ月間のセミナー予約数も対前年108.0%となった。企業側のセミナー開催時期の遅れやセミナー情報掲載数が対前年78.4%となったことや、開催数の減少などが大きく影響している(図1)。実際にセミナーが数分で満席になり、予約が取れないといった学生の声も多く聞かれた。



マイナビ掲載社数&セミナー情報掲載社数.jpg


【図1】 マイナビ掲載社数&セミナー情報掲載社数:11年卒マイナビデータ


■ 【内々定状況】5 月末時点の内々定率は41.4%。平均保有社数は1.52 社
2011年卒採用から学生全体の動向をより忠実に反映させるために、新たにマイナビ会員を中心とした「2011 年卒マイコミ大学生就職内定率調査」を3月より実施している。
その調査結果から、5月末時点の内々定保有率は41.4%となった。3月末から4月末にかけては21.8pt増加するなど一気に選考が最終段階に進んだが、4月末から5月末までは10.4ptの増加に留まった。文理男女別で見ると、理系男子は3月まで最もエントリー件数が少なかったが、この厳しい環境下でも企業からのニーズが高く、48.7%で最も高い内々定保有率となり、続いて理系女子41.4%、文系男子41.2%、文系女子35.6%となっている。内々定保有者の平均保有社数は全体で1.52社となった。文理男女別では、理系男子の1.66社が最も多く、続いて文系男子の1.64社、理系女子1.54社、文系女子1.38社と、内々定保有率同様に平均保有社数でも文系女子の苦戦が目立つ結果となった(※4)。



■ 【2012年卒学生の採用】「質重視」が継続し、「留学生」の採用が活発に
今後も「質重視」の採用が継続されることは間違いない。その兆候として、2011年卒の外国人留学生や日本人の海外大留学生の採用が上場企業を中心に活発になっている(※1)。留学生を採用する理由は、グローバル対応の人材獲得というだけではない。「語学」や「海外での配属を見越して」というよりも、「国籍を問わず優秀な人材確保のため」という理由が最も多く、主な目的は「優秀な人材の獲得」であることがわかる(図2)。企業は今後、優秀な学生獲得の一手段として、外国人留学生や日本人の海外大留学生に目を向けていくことになりそうだ。また、2012年卒学生の採用もより「質」を求めて、獲得競争になることが予想される。企業は「質」にこだわった採用を行っていくために、「自社で求める人物像の明確化」と「採用基準の設定」が必要不可欠になってくるだろう。



外国人留学生の採用理由.jpg


【図2】 「外国人留学生」の採用理由(複数回答)

(※1)「2011年卒マイコミ新卒採用予定調査」より
(※2)「2011年卒マイコミ学生就職モニター調査」より
(※3)「2011年卒マイコミ大学生就職意識調査」より
(※4)「2011年卒マイコミ大学生就職内定率調査」より


※「2010年度 就職戦線総括」の詳細は『採用サポネット』(http://saponet.mynavi.jp)で公開しています